ドラコン競技界に現れた超新星、豊永智大に注目!
Profile
豊永 智大(Tomohiro Toyonaga)
1987年11月3日生まれ。190センチ、110キロ。長崎県壱岐市出身、長崎県立壱岐高等学校卒。高校卒業後、奈良県のグランデージゴルフ倶楽部で約10年間、研修生生活を送りプロテスト合格を目指すもののアプローチイップスを発症したことなどもありプロを断念。現在広島県でゴルフインストラクターを務めながらドラコン競技に出場。2018年6月の「ゴルフダイジェスト ロングドライブチャンピオンシップ」でデビュー。自身2試合目となった2018年10月開催の「第4回ケン・コーポレーションカップ2018ドラコンフェスティバル」で見事優勝。2018年11月に中国・ミッションヒルズ・ゴルフクラブ&リゾートで開催された自身3試合目の「IGANZグローバルインフィニティーシリーズINチャイナ」でベスト16。最長飛距離395ヤード。TeamREVE。
ベスト16は達成感よりも悔しい気持ちの方が大きい。正直「もっとやれる」という気持ちはあります。
──「IGANZグローバルインフィニティーシリーズINチャイナ」出場、お疲れ様でした。この試合はアメリカをはじめヨーロッパ、アジア、南アフリカなど世界中をサーキットするワールドワイドな試合。1試合での優勝賞金は15万ドル、世界中の飛ばし屋が一獲千金を狙って集結します。そんな超ハイレベルな試合で64人出場の中、ベスト16まで進出して賞金も獲得。素晴らしい結果ですね。
豊永
ありがとうございます。この試合は世界規模という半端ないスケールで開催されますし、賞金も高額。もちろん出場選手も世界レベルの飛ばし屋たちですから、とにかく圧巻のひと言です。そういった試合でベスト16に進出できたというのは、まだドラコン3試合目の自分にとっては上出来の結果だったと思います。ただ、この試合は世界のレベルを肌で感じることが第一の目標であり、世界の選手がどんなスイングをし、どんな球筋で、どれだけ飛距離を伸ばしてくるかをしっかり脳裏に焼き付けて、2019年シーズンの目標に据える、いわば世界の距離を測るような一戦だったと捉えています。
──実際に世界レベルの選手たちと戦い、その距離はどんな風に映りましたか?
豊永
確かに、出場していた選手は190センチ、110キロの自分から見ても大きく感じましたし、パワーもすごくて、そのパワーをボールに伝える技術も長けていると思います。ただ、正直、自分はまだドラコン3試合目。2試合目の「ケン・コーポレーションカップ」で優勝させていただいたとはいえ、まだまだドラコンの試合への対応は未完成ですし、伸びしろもあると思っています。そういったことを考えると、世界への距離はそう遠くはないかな、とは思っています。
──とはいえ悔しさもあったのでは?
豊永
もちろんです。勝負なので、やるからには誰にも負けたくはありません。帰国して周囲から「ベスト16なんてすごいね!」という声も掛けていただいたんですが、自分の中では達成感よりも悔しい気持ちの方が大きかった。試合をしながら手ごたえも掴みかけていましたし、正直「もっとやれる」という気持ちはあります。
──ベスト16は世界のトップ選手のひとりになったことへの実証でもあるわけですから、これからはさらなる高みを目指すと。
豊永
そうですね。試合後は普段から何をしていても世界のトップになるにはどうしたらいいかを考えてしまいますし、スイングのことを考えたり、トレーニングについて考えたり・・・。仕事以外ではそれしか頭にない状態です。
──試合では緊張はなかったですか?
豊永
緊張はまったくなくてワクワク感しかなかったですね。10年間のゴルフ場での研修生期間でプロテストも経験していますし、シビアな場面はそれなりに経験してきたつもり。その経験が役立っているのでは。それにツアープロを目指していたこともあって、出場選手が苦労する「枠に入れる」ことにも自信がありましたので、そういった緊張感もありませんでした。
──豊永選手のスイングは、ドラコン選手特有のトップでヘッドが地面を向くほどのオーバースイングでもなく、ツアープロのようなきれいなスイングですね。
豊永
まだ始めて間もないですから、とりわけドラコン仕様のスイングにはしていません。ただ世界レベルの選手を見ていますと、飛距離アップのトレーニングをしないといけないと感じますし、スイングも変えていかないといけないとは感じています。ただあくまでも現在のスイングの延長線は変えるつもりはありません。
──この試合での豊永選手の最長飛距離は387ヤードでした。
豊永
世界レベルではもっと飛距離を伸ばさなければいけないと肌で感じてきましたから、いずれ世界を驚かせるビッグドライブを日本代表として見せつけたいですね。
リボルバーは柔らかくてしなり感があるにも関わらず、パワーをしっかりとボールに伝達してくれる。これはすごい衝撃でした。
──今、試合で使用しているドライバーのシャフトはREVEのインパクトボロン・リボルバーのX、ヘッドも同じくREVEのTOXIC R460の6度。この組み合わせはいかがですか。
豊永
言うことなしです。シャフトについてはXとはいえ、REVEさん特有のしなり感がありますので、他社と比べると柔らかく感じます。実は研修生時代から、自分の飛距離を見て周囲からは「とにかく重くて硬いシャフトを使え」と言われていたんです。ですが、重くて硬いシャフトはタイミングが取りづらくて、うまく打ちこなせなかった。とはいえ柔らかいシャフトはうまくボールにパワーを伝達できなかったりして、飛距離が出なかったんです。そんなときにREVEさんのリボルバーのXを試打させていただいたんですが、柔らかくてしなり感があるにも関わらずパワーをしっかりとボールに伝達してくれるので、パワーロスがなくそのまま飛距離に繋がってくれる。これはすごい衝撃でした。もちろん軽量ですからスイングスピードも上がりますし、ダウンスイングでの戻りのスピードも速いですから、さらにボールを押してくれるような感覚さえあります。このシャフトがなければ世界で戦える自信もつかなかったと思いますね。
──ヘッドのTOXICについては?
豊永
文句なく、捕まりが良くてミスヒットにも強い。思い切って叩きにいけるヘッドです。顔も構えやすいですし、程よくシャローで、いかにも飛んでくれそうな形状。リボルバーとTOXICは最強の組み合わせです。
将来的には世界のドラコン界でトップを競える選手になりたい。
──最後に2019年の目標と将来的な目標を教えてください。
豊永
来シーズンに関しては、まずドラコンの世界チャンピオンを決定する試合である「ワールドロングドライブチャンピオンシップ」の日本予選を勝ち抜いて、出場すること。まだまだ自分の知名度は低いですが、ゴルフ界にもっと自分の名前を覚えてもらえるような選手になっていきたいですね。将来的には世界でトップを競える選手になりたい。ゴルフはスポーツの中で最もボールを飛ばせる競技。そのなかでもトップになって、大きな体に産んでもらった両親に恩返しできればと思っています。