REVEシャフトを手に、ついに素質が開花!レギュラーツアーで活躍を続ける
2010年プロテストに合格、その後ステップ・アップ・ツアーを中心に試合を重ね、2014年の「うどん県レディース金陵杯」、2016年の「ECCレディス ゴルフトーナメント」でそれぞれ優勝し、一躍注目選手のひとりとなった西木裕紀子プロ。2018年のファイナルクォリファイングトーナメントでは4日間をイーブンパーでラウンド、37位の成績を残し2019年のLPGAツアー(レギュラーツアー)出場資格を獲得。シーズン開幕戦は予選通過とはならなかったものの、第2戦「Tポイント×ENEOS ゴルフトーナメント」から現時点の第5戦「スタジオアリス女子オープン」まで連続して予選を通過した。ウェッジ以外のシャフトはすべてREVEを使用するなど、REVEに全幅の信頼を寄せる西木プロだが、好調の要因のひとつはREVEシャフトのポテンシャルを引き出せていること。もともとドライバーショットの飛距離、アイアンショットの正確性はツアーでも高いポジションにあったが、今シーズンからスチールシャフトの5倍の硬さであるカーボンパターシャフト「BLACK KNIGHT」を投入。パッティング精度が一気に向上し、平均パット数(パーオンホール)はスタジオアリス女子オープン終了時点で27位につける。一気にブレイクの予感が漂う西木裕紀子プロにREVEシャフトのクオリティ、そして2019年シーズンにかける思いを聞いてみた。
BLACK KNIGHTを使い始めたのは今季2戦目から。それがすごくマッチして、ストロークもスムーズ。狙ったライン通りに打ち出せるようになった
──2018シーズンはレギュラーツアー出場が3試合にとどまり、悔しい思いをしたと思います。2019シーズンはファイナルQTでの37位の結果から前半戦出場、悔しさを晴らすかのようにスタジオアリス女子オープン終了時点まで5戦中4試合で予選を通過しました。これまでのシーズンと2019シーズン、西木裕紀子プロの違う部分というのはどんなところにあるのでしょうか。
西木裕紀子プロ
基本的には昨シーズンと比べて変化した部分というのは、ほぼないと思っています。2018シーズンはレギュラーツアーに3試合しか出場できませんでしたが、そのうち2戦で予選通過できましたし、仮に試合に出場できるチャンスがもっとあれば、ある程度の成績を残せたかもしれないとは思っています。2019シーズンは2018シーズンに練習やトレーニングで培ってきたことが実を結んできたのかなとは考えますが、自分自身、大きな変化を感じてはいないんです。ただこれまでの試合で積んできた経験値、特に2017シーズンにレギュラーツアーにほぼフル参戦させていただいた中で経験した試合の難しさに対して今シーズン、対応しながらプレーできているのは確か。そこがこれまでとは違う部分ではないでしょうか。
──2018シーズンまではドライバーの飛距離やショットの正確性の高さに比べ、パッティングにウィークポイントがあったように思いますが、2019はパーオンホールでの平均パット数27位、1ラウンドあたりの平均パット数8位とスタッツも上位。パッティング精度が上がっているのは数字からも表れています。
西木裕紀子プロ
確かに、2018シーズンまではパッティングがどうしても思うように決めることができず、肝心な場面で外すことが多かった。そういった部分をなんとか改善しなければと思い、シーズンオフに石井雄二コーチと練習に取り組んできました。その成果が実ったのと、あとREVEのパター専用シャフト「BLACK KNIGHT」を使うようになったことも大きな要因です。
──「BLACK KNIGHT」はシーズンオフからテストを重ねて、万全を期しての投入ですか。
西木裕紀子プロ
もちろんテストは重ねてきたのですが、本格的に使いだしたのは2戦目以降。予選落ちした初戦は違うパターを使用してプレーしたのですが、なにか感覚的に合わなくて、思い切って2戦目の「Tポイント×ENEOS ゴルフトーナメント」からBLACK KNIGHTを使い始めたんです。それがすごくマッチして、ストロークもスムーズ。狙ったライン通りに打ち出せるようになりました。この試合は14位タイだったんですが、パッティングの良さがこの成績に繋がったのは間違いありません。
──BLACK KNIGHT効果ですね。このシャフトのどんな性能が好結果を呼んでいるのですか?
西木裕紀子プロ
スチールシャフトの5倍の硬さなので、圧倒的にしなりが少ない。スチールだと微妙にしなりますし、そのタイミングに合わせたストロークが要求されるのですが、このシャフトはそれが必要ないので、自分の感覚でストロークできるわけです。ストロークのエネルギーロスもなく、しならないので、思った通りのラインに打ち出せますし、アバウトな部分がないので微妙なラインにもしっかり対応してくれます。ボールの回転もきれいな順回転。ミスヒットして、あと一転がりが欲しいパッティングでも、その一転がりを出してくれますね。それに再現性が高く、ストロークごとの誤差もないので安心して打つことができています。
──シーズン中にパターを変えるのは大きな決断。
西木裕紀子プロ
確かにそうですが、まだ2戦目。色々と試すことができる序盤戦ですから感覚もリセットして、もう一度仕切り直しですね。
──しっかりと結果が出ている。
西木裕紀子プロ
そうですね。スタッツの数値は間違いなく上がっていますから、この調子を保っていきたい。
カップを狙えるポジションにボールを置くことができるからこそ、パッティングの数値向上にもつながっている
──西木裕紀子プロはショットの切れで勝負するショットメーカーというイメージ。昨年からドライバーのシャフトにREVE「IMPACT BORON REVOLVER」(フレックスRR)を使用して飛距離が大幅にアップし、アイアンにも「I.Elevation」を装着して弾道の高さや精度もアップしたと聞いています。そこにパッティングの精度も上がれば、これだけの成績を残しているのも納得。
西木裕紀子プロ
ありがとうございます。パッティングの精度も大切ですが、やはりレギュラーツアーのグリーンは難易度が高いので、グリーンオンさせる場所もシビア。ピンポイントに落とさなければいけない場所もありますし、パーオンしなくても外していい場所もある。そういった場所を狙って高いボールを打てるアイアンシャフト、I.Elevationの効果もすごく感じています。カップを狙えるポジションにボールを置くことができるからこそ、パッティングの数値向上にもつながっているはずなんです。2018シーズンまでは狙ったポジションにボールを置くことができても、決めきれなかった場面が何度もありましたので、ようやくマネジメントしたプレーがツアーでもできるようになってきたのではないでしょうか。
──始まったばかりの2019シーズンですが、これからの目標を教えてください。
西木裕紀子プロ
このオフはやれることはすべてやってきたつもりですし、試合で普段どおりのプレーができれば結果はついてくると思っています。今シーズン、QTからの出場ですのでリランキングによってシーズン後半の出場資格が得られるかどうかわかりません。一戦一戦気を抜かずしっかりと上位に喰い込んで、まずは1年間しっかりとレギュラーツアーで戦うことです。もしそうなれば、来シーズンのシード権も見えてくるはずですので、最終的にはそこを目指して頑張っていきます。
プロ入り後、西木裕紀子プロのコーチを務める石井雄二氏・談
BLACK KNIGHTはデータ上でもエネルギー効率が優れているシャフト。それが西木裕紀子プロにフィットしているのだと思います。無駄なくシャフト全体でストロークのエネルギーをボールに伝えることができますので、自分自身の振り幅に対し、思い描いたボールの転がりを実現できているわけです。微妙な部分なのですが、しなりがあると、どうしてもアバウトな部分ができてしまう。それすら読み取れるのがレギュラーツアーで戦う選手だと思いますが、もっとダイレクトにはっきりとラインを捕らえることができれば、それに越したことはない。それを現実にやってのけてくれているのがBLACK KNIGHTなんです。それにインパクト時の当たり負けから生じるトルクロスも減少しています。西木裕紀子ファンの皆様にはそういったパッティングの精度も見ていただきたいのですが、やはり彼女の特長はショットのキレ、ボールのコントロール。これは十分レギュラーツアーで戦えるポテンシャルなので、そういった部分も見ていただきたいですね。そして彼女自身、試合を楽しめるようになってきているので、前向きに自信をもって思い切ったプレーをする姿は一見の価値ありだと思います。
Profile
■西木裕紀子プロ(Yukiko Nishiki)
1991年9月21日生まれ、神戸市出身。父親とゴルフ練習場へ行ったことがきっかけで10歳からゴルフを始める。中学校卒業後、岡山県の作陽高校に進学して、ゴルフ部に所属。学生時代は2008年の「全国高等高校ゴルフ選手権」にて団体優勝。2010年のプロテストに合格したのち、ステップ・アップ・ツアーを中心に参戦。2014年のステップ・アップ・ツアー「うどん県レディース金陵杯」で優勝してプロ初タイトルを獲得。2016年の「ECCレディス ゴルフトーナメント」で優勝して同ツアー2勝目を飾る。