2021.10.14

海東英郎選手 アサルトアタック+TOXICを武器に悲願の日本一!

I can do it!
ドラコン競技22年目にしてようやく掴んだ栄光。アサルトアタック+TOXICを武器に悲願の日本一!


–Professional Golfer Information
ドラコン界のファンタジスタとして大人気の海東英郎選手。独特の一本足打法を取り入れ、ジュニアオリンピックや国体でも好成績を残した三段跳びで鍛えたから肉体から繰り出す飛距離は最長423ヤードを誇る。今年の夏に鹿児島県・三豊ゴルフクラブで開催されたドラコン世界大会日本代表決定戦「PLDA-JAPAN-ナショナルトーナメント」ではシニア部門で見事優勝。苦節22年目にして、ようやく日本一の称号を手にし、名実ともにドラコン界の頂点へと上り詰めた。優勝により9月22日〜29日に米国・ネバダ州メスキートで開催されたPLDAロングドライブ世界選手権の出場権も手にはしたが、新型コロナウイルス感染防止に伴う隔離期間を考慮し、今回は出場を断念。それでも来年の出場を目標に、虎視眈々と連覇を狙っている。
試合中は独特のパフォーマンスで試合を盛り上げ、常に注目を集める海東選手だが、活躍の原動力となっているのはREVEのシャフト・アサルトアタック40gR+ヘッド・TOXIC R460だと言い切る。ドラコン競技のみならずラウンドでもこのセッティングでプレーするほど信頼を寄せており、このクラブを一生手放すことはないとまで話す溺愛ぶりだ。
今回は悲願だった日本一のタイトルを手にした、海東英郎選手に喜びの声を聞いた。

海東英郎選手


 
 

日本一までとにかく長かった。陸上でもドラコン競技でも日本一というものに縁がなかったので、やっと辿り着いた。「人生で目標にしてきた日本一を獲れてよかった」という気持ちが本音。

――PLDA-JAPAN-ナショナルトーナメント優勝おめでとうございます。ドラコン選手に転向22年目にして、初めての日本一の称号です。まずはその感想を教えてください。
 

海東英郎選手
ようやく辿り着いた・・・というのが率直な気持ちです。とにかく長かった。これまで陸上競技でもいつも2位止まりで、いわゆるシルバーコレクター。陸上でもドラコン競技でも日本一というものに縁がなかったので、やっと届きました。ドラコン選手になって22年目ですから、もちろん飛び上がるくらい嬉しいのですが、それ以上に「人生で目標にしてきた日本一を獲れてよかった」という気持ちが本音です。
 

――ここまで来るのに決して楽な道のりではなかったと思います。色んな苦労もおありだったと思うのですが。
 

海東英郎選手
確かに日本一を獲るのに、こんなにも時間が掛かったのかとは思いはします。ですがドラコン競技はやっていて楽しいものですし、無我夢中でやってきましたので、そんなに苦労したとは思ってないんですよ。
 

――全国各地で地方予選大会を行ない、その優勝者のみが出場できる試合。制限時間2分30秒、6球の内の1球の最長飛距離で争うという試合形式。今回の試合に対する意気込みは?
 

海東英郎選手
体の仕上がりも良かったですし、REVEさんのアサルトアタック+TOXICというセッティングも3年目。しっかり体に馴染んでいますし、不安材料は見当たりませんでした。あとは運さえあれば優勝のチャンスはあるかなって。特別気負ったり、プレッシャーが掛かったりというのもなく、自然体では挑めましたね。
 

海東英郎選手

――勝つためには運も必要だと。
 

海東英郎選手
試合当日に一番調子が良い選手が勝つ。それがドラコン競技の面白いところで、いくら実力があってもその日に調子を落としてしまっては勝てない。個々の調子と試合日程の巡り合わせがうまくマッチした時に勝てるものなので、そういった意味では運も必要。今回の試合では自分自身、調子も良かったですし、調子の良さから気持ち的にも余裕を生んでくれたので、バイオリズムが良い周期に試合を迎えられました。運も味方してくれたような気はします。ただ心の中では「これだけ頑張ってきたんだから、神様、そろそろもご褒美をくれてもいいんじゃない?」って神頼みはしましたけどね(笑)。
 

海東英郎選手

 

――第1予選は記録なし、第2予選で328ヤードを叩き出し、トップ通過。決勝トーナメントでは314ヤードをマークして好調をキープ。工藤一幸選手との決勝戦では第1セットで317ヤードを記録して、圧倒しました。今回の試合で優勝につながった要因というのは?
 

海東英郎選手
いわゆるゾーンに入っていたと思います。過去にも何試合かゾーンに入った試合はあるのですが、それが地方予選であったり、自分以上のゾーンに入っている選手がいたりとかで・・・。今回は枠の中にボールを入れるのに苦労はしましたが、ゾーンに上手くハマったのが要因でしょうか。
 

――第2予選の328ヤードは大会のシニア最長飛距離。
 

海東英郎選手
敗者復活の第2予選でようやく納得いく飛距離を出せて、セミファイナルの決勝トーナメントでは314ヤード。このあたりから波に乗れていましたし、勝てるんじゃないかなっていう手応えはありました。
 

――決勝戦は工藤一幸選手と対戦。第1セットで317ヤードを叩き出し、302ヤードの工藤選手を下しました。
 

海東英郎選手
先攻だったのですが、先行で第1セットに315ヤードを打つことができれば工藤選手にプレッシャーは掛けられるだろうなとは考えていました。結果的に作戦通りの展開に持ち込めましたね。もちろん試合中に何があるかわかりませんので、安心はしていませんでしたが、風もアゲインストだったので、これはいけるだろうと。
 
 

海東英郎選手

 

一本足打法はイチロー選手の振り子打法を参考につくり上げた。

――海東英郎選手の武器というのは圧倒的な身体能力と独特の一本足打法だと思うのですが、一本足打法は強烈な体重移動でボールにパワーを余すところなく伝える反面、すごくタイミングが取りづらいような気がするのですが?
 

海東英郎選手
実際に一本足でスイングしてもらうとわかると思うのですが、実は逆にタイミングが取りやすいのが一本足なんです。一般的なスイングは先に手を動かしますが、一本足打法は先に足を動かすので、振り子打法という言い方の方がわかりやすいかと思います。振り子打法は足の動きに合わせて手を動かすだけなので、すごくスムーズなんですよね。スイングの練習で片足ずつ上げて打つ練習法というのがあるんですが、それで打つとボールスピードが少し上げるんです。ならその打ち方で枠に入れることができれば、有利だよねってことで始めたんです。枠に入りにくければ枠に入るように調整すればいい。スイングを完成させて飛距離を求めるのではなく、まず飛距離を求めて正確性を上げればいい、というイメージでつくりあげました。
 

――一本足に巡り合ったきっかけは?
 

海東英郎選手
イチロー選手の振り子打法を参考にさせていただいたんです。単に一本足で打つだけではスイングに捻じれ感がない。捻じれ感がもっと欲しいと思って試行錯誤している時にイチロー選手のスイングを見て、これは使えるのでは・・・と思い、取り入れたのがきっかけです。
 

――イチロー選手の打法ですか。
 

海東英郎選手
そうなんです。あと一本足打法は足から動かしますから、緊張した時でも体が固まらないというメリットもあります。緊張する場面ではどうしても手が動かなくなってしまうことがあるのですが、これだと始動しやすいんですよね。
 
 
 

最長飛距離の423ヤードを打てたのもこのクラブあってこそだし、試合に勝てたのもこのクラブのおかげ。

――そんな海東英郎選手が溺愛するシャフトとヘッドはREVE。シャフトはアサルトアタックの40gのRだそうですね。アサルトアタックは業界初のニッケルボロンとして誕生、70tカーボンシートをフルレングスにインパクトボロン・リボルバーの性能をそのまま継承し、さらに叩けるハイスピードシャフトとして誕生しました。先端部にニッケルをバインドすることにより、強烈なパワーに当たり負けしない強度とハイスピード加速により、さらなる飛びを実現しました。このシャフトのどんなところに魅力を感じておられますか?
 

海東英郎選手
アサルトアタックを使い始めて3年になります。REVEさんのシャフトを使わせていただくようになったきっかけは、ドラコン仲間の杉本選手がREVEさんのシャフトをずっと使っていたから。杉本選手が使っていたREVEさんのシャフトを試合前にたまたま打たせてもらったら、今まで感じたことがないしなり戻り。これには驚きましたね。それまでは320gのシャフトをメインに使っていたのですが、REVEさんのシャフトは50gとか60g。ものすごく違和感はあったのですが、ヘッドスピードが3~4m/s上がったんです。普通に振っても65m/sが出ちゃったりして「なんなの、このシャフトは」って。その後、何度も試合で借りて打ってはいたんですけど、320gから50g・60gのシャフトに持ち替えたわけでしょ。実はなかなか慣れなくて、使いこなすのに苦労したんです。でもシャフト自体のポテンシャルの高さはわかっていたので、その恩恵を受けるためにもなんとか使いこなしてやろうと。
 

――そしてアサルトアタックが登場。
 

海東英郎選手
やっと来たぞと(笑)。とにかく自分の欲しい挙動を実現してくれるシャフトなので、「これで俺の時代が来たか」と。本当にそう思いました。
 

――そのなかでも40gのR。非常に軽量で柔らかいスペックですね。海東英郎選手の身体能力を最も発揮できるスペックがこれだと。
 

海東英郎選手
実はこれも当初、杉本選手が使っていたスペックなんですけど、打たせてもらったら最高に良いんですよ。飛距離は出るし、曲がらないし。それが40gのR。無理を言って杉本選手にそのまま譲ってもらって、それからはこのクラブ1本で勝負しています。
 

――どんなところに魅力を感じておられますか。
 

海東英郎選手
スイング中にヘッドのポジションが明確にわかるというのが一番の魅力ですね。それからインパクトの瞬間にすべてが整うところ。インパクトの瞬間にボールを捕まえることもできますし、逃がすこともできる。理想のハンドリングができるというか、瞬間的な感覚で操作できる、唯一無二のシャフトだと思っています。
 

――海東英郎選手の意のままにボールを操れるシャフト。
 

海東英郎選手
そうなんです。ドラコン選手のほとんどがドラコン用のクラブとラウンド用のクラブは使い分けているのですが、私の場合はドラコン競技もラウンドもこの1本。423ヤードも打てますし、200ヤードも打てる。きっとスプーンよりもフェアウェイキープ率は高いですよ。
 

海東英郎選手

 

――ヘッドはTOXICの6度ですね。
 

海東英郎選手
スピンの出し入れがしやすいのがTOXICの良さで、アサルトアタックにベストマッチしているヘッドだと思います。インパクトの瞬間にシャフトを通じて打ち出し角、スピン量はもちろん、飛距離までわかる時があるくらい伝達能力に優れていて、逆に自分の意図するスイングをそのままボールに伝えてくれるような感覚ですね。
 

――信頼感がすごい。
 

海東英郎選手
今後、このセッティングを変えるつもりもありません。最長飛距離の423ヤードを打てたのもこのクラブあってこそですし、試合に勝てたのもこのクラブのおかげ。もし、このクラブが折れたら、私はただのおじさんになっちゃいます(笑)。
 

――それくらい大切なクラブなんですね。
 

海東英郎選手
折れたり割れたりすると大変なので、練習場でも使っていませんし、盗難も怖いので普段は家の中に隠しているんです(笑)。
 

 
 

この競技をもっと多くの方々に知ってもらって、もっと盛り上げていければ。

―これからの目標は?
 

海東英郎選手
ドラコン競技って、すごく楽しい競技なんですよね。日本全国で試合が行なわれていて、選手仲間たちと一緒に移動したり、試合で切磋琢磨したり。試合に出場してみると、飛ばすだけじゃなくて、選手同士の交流もすごく深まって、色んな楽しさがあるんです。この競技をもっと多くの方々に知ってもらって、盛り上げていければと思っています。もちろん選手としてもまだまだ頑張りたいですし、PLDA-JAPAN-ナショナルトーナメントのシニア部門連覇の権利を持っているのは私だけなので、連覇にもチャレンジしていきます。
 

――東海地区でドラコンをもっと広めていきたいという願いもあるそうですね。
 

海東英郎選手
8年前にLD(ロングドライバーズ)東海というドラコンのグループを東海地区で立ち上げていまして、ドラコンに毎回出場している選手はもちろん、これからドラコンに出場してみたい人たちが集まって活動しています。三鈴カントリー倶楽部をお借りして年に一回、LD東海独自の試合を開催しています。強い選手もたくさんいますし、LD東海に参加して日本チャンピオンになった選手もいます。LD東海からもっと強い選手が生まれると嬉しいですし、そうなるように頑張っています。
 
 

Profile


<海東 英郎(かいとう ひでお)>
1973年1月30日生まれ。滋賀県高島市出身、三重県三重郡在住。幼少期から陸上競技に没頭し、大学2年時には三段跳びでジュニアオリンピックにも出場、高校2年時から4年連続で滋賀県代表として国体出場。大学卒業後、就職先で誘われ26歳で初めてクラブを握り、初めての練習で300ヤードオーバーを放つ。類まれな飛距離を活かすべくツアープロを目指し、三重県・三鈴カントリー倶楽部で5年間研修生生活を送る。その後持ち前の飛距離を活かすべく、ドラコン競技に転向。三段跳びで培った身体能力から繰り出す最長飛距離は2020年に記録した423ヤード。2021年7月31日(土)・8月1日(日)に、鹿児島県・三豊(みつとよ)ゴルフクラブにて開催されたドラコン世界大会日本代表決定戦「PLDA-JAPAN-ナショナルトーナメント」のシニアディビジョンにて見事優勝。悲願の日本一の称号を手にした。