2022.05.02

石川元樹プロ “ツアー界のハルク”がドラコンに殴り込み!

石川元樹

–Professional Golfer Information


2021年5月、相模原ゴルフクラブ東コースで開催された男子ツアー「アジアパシフィックダイヤモンドカップゴルフ」に予選を通過して出場。予選通過はならなかったものの、レギュラーツアー初出場ながら持ち前の圧倒的な飛距離でインパクトを残した石川元樹プロ。恵まれた体格から繰り出される驚愕の飛距離が代名詞で、ボール初速は90 m/sを超える。この数値はPGAツアーの飛距離ランキングでダントツの1位のデシャンボーと同等で、これだけの飛距離を叩き出すツアープロは国内では見当たらないだろう。
 

そんな石川元樹プロがついに、ドラコン競技にデビュー。4月29~30日、鹿児島県・三豊ゴルフクラブで開催される「PLDA世界選手権 男子日本代表決定戦(西日本)」、5月6~7日に開催されるJPDA主催の「プロドラコンツアー2022兵庫大会」への連続出場が決定した。世界選手権 男子日本代表決定戦は、2022年10月3日~8日にアメリカ・ネバダ州メスキートで開催されるPLDA世界選手権への日本代表選手を決める注目の一戦。またプロドラコンツアー2022 兵庫大会は、持ち球6球の中で、フェアウェイをキープしたボール上位3球の平均飛距離によって争われるルールで、飛距離だけでなく正確性も求められるという難易度の高い競技。いずれも石川元樹プロにとって、体験したことのないルールのもとで行なわれるが、男子ツアー界屈指の飛ばし屋がドラコンという競技でどんな輝きを放つのか、興味が尽きることはない。
 

今回は試合を前に、ドラコンに向けたクラブセッティングを行なった“ツアー界のハルク”石川元樹プロにインタビュー。試合にかける意気込みを聞いた。


 
 

“ツアー界のハルク”石川元樹プロがドラコンに殴り込み!

――今回、初めてドラコン競技に挑戦する石川元樹プロですが、見るからに飛びそうなパワフルなボディ。身体のサイズを教えていただけますか。
 

石川元樹プロ
身長175センチ、体重90キロです。
 

――身体だけを見ていると、プロゴルファーというよりラグビーや格闘技の選手のようですね。
 

石川元樹プロ
ほんとよく言われるんです(笑)。でも実はこれまでのスポーツ歴はゴルフだけ。それ以外のスポーツはやっていないんですよ。
 

――それは意外です。子どものころからゴルフだけなんですね。見るからに映画「アベンジャーズ」に出てくるハルクにそっくりです。
 

石川元樹

石川元樹プロ
笑笑。ありがとうございます。これまで、ほぼウエイトトレーニングはしてきてなくて、やってきたトレーニングといえば、可動域を拡げるトレーニングだったり初動負荷トレーニングだったり、筋肉をつけるようなトレーニングはまったく。
 

――でもその腕っぷしの太さは凄い!
 

石川元樹プロ
どういうわけかナチュラルに筋肉が付いちゃうんです。そのおかげで飛距離を出せて、自分の持ち味というか、武器になっていますので、体質に感謝ですね。
 

――話は変わりますが、昨年、「アジアパシフィックダイヤモンドカップゴルフ」でレギュラーツアー初出場を果たしましたが、今回はドラコンに挑戦するということ。ドラコンという競技のイメージは?
 

石川元樹プロ
レギュラーツアーだけを目指して練習を重ねてきていますので、正直、未知の競技というのが本音です。同じ、ゴルフクラブとゴルフボールは使用しますが、競技としてはまったく別物。今回、REVEさんから推薦をいただいて出場することになりましたが、このお話がなければ、出場することはなかったのではないでしょうか。
 

――出場するにあたり躊躇は?
 

石川元樹プロ
出場への躊躇はありません。自分の持ち味である飛距離を試すことができるチャンスですし、もし上位に入ることができれば色々な方面からも注目もしていただけます。ドラコンの経験をツアー競技にフィードバックして活かすことができるかもしれません。ドラコンにチャレンジすることで、たくさんの可能性が拡がるじゃないかって思っています。
 

――良い経験になりそうですね。
 

石川元樹プロ
そうですね。自分のコーチである石井雄二コーチからも、「チャレンジすべき」って言われましたし、知らない世界に足を踏み出すワクワク感もあります。ツアーとはまた違った緊張感もあるでしょうし、本当に楽しみです。
 

石川元樹

 
 

普段から使い慣れたアサルトアタックで挑戦!

――普段のラウンドではシャフトをアサルトアタック50Xの先端0.5インチカットを使用しているそうですが、ドラコンではどんなクラブを使用する予定ですか?
 

石川元樹プロ
普段のラウンドと同じ、アサルトアタックを使用する予定です。アサルトアタックで長さを変えたり、フレックスを変更したり、その試合ルールやその時の状況を判断しながら、どのスペックを使用するかを決めることになると思います。
 

――普段から使い慣れたアサルトアタックで挑むということですね。
 

石川元樹プロ
特別なことをしても良いことはないでしょうし、慣れたシャフトで挑むのが最善じゃないかと。アサルトアタックは本当に素晴らしいシャフトですから。
 

石川元樹

 

――アサルトアタックは先端部にニッケルをバインドすることにより、強烈なパワーにも当たり負けしない強度とハイスピード加速により、さらなる飛びを実現するドラコン競技でも人気のモデル。あらためてアサルトアタックの魅力を教えてください。
 

石川元樹プロ
以前は重たくて硬いシャフトを使うのが当たり前のように思っていて、80g台のXを使用していました。ですが石井コーチの薦めでアサルトアタックの50gを振らせてもらったのですが、軽くても弱々しさはまったくなく、しっかり感がある。ひと振りで軽量シャフトのイメージが一変しました。しかも挙動自体は柔らかいのですが、振りにいってもヘッドが遅れてくることもなく、ブレずにスイングに同調してくれるんです。これには本当にびっくりしました。大きくしなっても、ダウンスイング中にスピードを上げてヘッドが下りてくるわけですから、初速スピードが上がるのは当然。それくらい打ちやすいシャフトです。
 

――信頼感は半端ありませんね。
 

石川元樹プロ
クラブに関しては言い訳が効きません。あとは自分次第です。試合形式によって柔らかいスペックを使ってしなりを効かしたり、長めのシャフトを使ってヘッドスピードを上げたり、色々戦略はあるかと思うのですが、とにかくアサルトアタックのポテンシャルの高さは素晴らしいので、信頼して自分のスイングをするだけです。
 

――ヘッドはトキシックですね。
 

石川元樹プロ
そうです。6度をやや開き気味にして7.5度のロフトにしています。トキシックはすごく構えやすくて気に入っています。どうしてもこのロフト角だとボールがつかまりづらくなるとは思うのですが、アサルトアタックとマッチングが良くて、そのつかまりづらさをカバーしてくれている感覚があります。
 

――今回挑戦するプロドラコンツアー2022 兵庫大会では、持ち球6球の中で、フェアウェイをキープしたボール上位3球の平均飛距離によって争われるルール。ある程度絞り込まれたフェアウェイにボールを残さなければいけないという、ドラコンながら飛距離だけでなく正確性も求められるという競技です。
 

石川元樹プロ
今回用意するクラブも普段のラウンドに使用しているスペックに近いもの。普段の試合はいかにフェアウェイにボールを置けるかという部分で勝負しているわけですから、そういった意味ではこちら寄りのルールかなとは思います。6球中3球をフェアウェイに残すということは、逆に3球もOBしていいの?という感覚もあるんです。もちろん未知の競技でもありますので、緊張感とかプレッシャーで、普段のスイングができないかもしれませんが、自分のスイングさえできれば・・・いい戦いができるのではないでしょうか。
 

――石井雄二コーチからアドバイスは?
 

石川元樹プロ
ドラコンだからといって意気込むんじゃなくて、現状でどれだけやれるのか。それを推し量るのにもいい機会じゃないかって言われています。ツアー出場に向けて練習してきて、いざドラコンでどんな順位で終えることができるかというのは、自分自身、楽しみでもあるんです。
 

――戦略は?
 

石川元樹プロ
ツアープロとしては6球打てるのなら、やっぱり全球をフェアウェイに入れたい。そこは少しプライドを持っておきたい部分です。
 

――ストロークの試合と同じような感覚で挑みたいと?
 

石川元樹プロそうですね。自然体で挑むことが良い結果につながるような気がしています。
 

石川元樹

 

Profile


<石川 元樹(いしかわ もとき)プロ>
1985年6月7日生まれ、大阪府出身。アマチュア時代は関西ジュニア、東北アマ優勝。5歳からゴルフをはじめ、大阪桐蔭高校、東北福祉大を経て26歳で日本プロゴルフ協会プロテスト合格。ボール初速は90m/sを超え、飛距離は380ヤードオーバー。予選を勝ち抜いて2021年男子ツアー「アジアパシフィックダイヤモンドカップゴルフ」に出場。ツアー初出場を飾る。ポテンシャルの高さは折り紙付きで、さらなる飛躍が期待されるプロのひとり。