2022.11.21

大和田紗羅プロ ワールドチャンピオンを決する「PLDAレディース世界選手権」で優勝。

–Professional Golfer Information


世界中の錚々たるドラコン選手が集結し、ワールドチャンピオンを決する「PLDAレディース世界選手権」で見事優勝。
名実ともに、女王に相応しい戦いぶりと飛距離を披露し、一気にその名を世界に知らしめたのが、LPGAティーチングプロでもあり、ドラコン競技にもチャレンジする大和田紗羅プロ。決勝では緊張張り詰めるなか、3球をグリッドインさせ、平均飛距離258.7ヤードをマーク、堂々と世界の頂点へと駆け上がった。ドラコン歴は約1年ながら、世界一に相応しい飛距離と精度を披露し、ガラスの靴ならぬREVEシャフト「アサルトアタック」をフィットさせたドラコン界のシンデレラの誕生だ。

大和田紗羅プロ


 
 

2022年9月7~9日、日本で初めての世界規模のドラコン競技「PLDAレディース世界選手権」が栃木県那須にある那須小川ゴルフクラブで開催された。
 

2006年、2016年、2018年の「Volvic World Long Driveチャンピオンシップ」で優勝した“3times champion”フィリス・メティをはじめ、世界8ヵ国から名だたるドラコン選手32人が集結、猛暑の中、ワールドレディースチャンピオンの座を争う、文字どおり“アツイ”ビッグイベントとなった。
 

賞金総額10万ドル(約1,400万円)、優勝賞金2万5000ドル(約350万円)、世界中の猛者たちが、その頂点を目指した。ルールは持ち球6球の中で、フェアウェイ幅に静止させたうえ、3球の平均飛距離によって順位を競うシビアなもの。JPDAが掲げる「ゴルフにつながるドラコン」をこの世界選手権でも採用したことで、飛距離だけでなく、アキュラシーにも長けていなければ勝てない、ゴルフの総合力が必要とされる試合としても注目を集めた。
 

そんななか決勝に駒を進めたのは大和田紗羅プロと柳井紗奈プロ。両選手は4月に開催された「プロドラコンツアー2022茨城大会」チャンピオンズリーグ決勝でも顔を合わせており、平均飛距離わずか60センチ差で大和田紗羅プロが優勝を手にするなど、切磋琢磨してきたよきライバル。今回も激しい鍔迫り合いが展開されたが、大和田紗羅プロが早々に3球をグリッドインさせたのに対し、柳井プロは惜しくもグリッドインは2球。平均飛距離258.7ヤードを記録した大和田紗羅プロが、悲願の栄冠を手にすることとなった。
 

6球を打ち終わった両選手に対し、戦いを見守った世界各国の選手や関係者たちがスタンディングオベーションで祝福を贈る感動の場面も。決勝を戦った大和田プロ、柳井プロともに大粒の涙を流し、長丁場を戦った両選手の姿は「スポーツマンシップ」の言葉にふさわしく、最高に爽やかなエンディングとなった。
 

大和田紗羅プロが今回の試合で使用したシャフトは、REVEの大人気シャフトである「アサルトアタック」で、40Sをメインに50Rと使い分けながらの勝利。今回のレイヴァーマガジンでは大和田紗羅プロに熱戦の末につかみ取った優勝、そしてアサルトアタックの使用感について聞いてみた。
 
 

 
 

3球グリッドインさせなければいけない難しいルールの中で、いかにショットの精度を上げて飛距離を伸ばせるかが勝負になります。とはいえ、決勝ではそんなことは考えず、全力でスイングしていました(笑)

――「PLDAレディース世界選手権」優勝、おめでとうございます。まず世界一の座をつかんだ心境を聞かせてください。
 

大和田紗羅プロ
一年前に、やるなら「日本一を目標にしよう」とスタートしたドラコン競技へのチャレンジ。筋力トレーニングを積みながら、ドラコンの試合に出場してきたのですが、おかげさまで「PLDAレディース世界選手権」に出場でき、優勝までさせていただいて、本当に嬉しいですし、サポートしていただいた方々に感謝しかありません。

 
――この試合に出場するにあたり、優勝は意識していましたか?
 

大和田紗羅プロ
世界選手権への出場の権利をいただいて、初めて世界で活躍している選手のスイングを見たのですが、海外選手のなかに交じって、どれだけ自分が戦えるか・・・正直、不安だったんです。それでも、今までやってきたトレーニングや練習を思い出して、結果はどうあれ、出場するからには全力で頑張ろうと。そういう気持ちで挑みました。
 

――その結果、優勝。
 

大和田紗羅プロ
優勝が決まった瞬間は、まったく実感が湧かなくて・・・。周りの方々がお祝いをしてくれたりして、何日も経ってからようやく実感が湧いてきたという感じです。
 

――フィリス・メティをはじめ、正真正銘、世界中のドラコンの上位選手が集結した試合でした。これほど大きな試合で優勝したということは、特別の感情もあるかと思います。
 

大和田紗羅プロ
世界選手権での歴代優勝者をみると、本当に素晴らしい選手の方々ばかりなので、そこに名を連ねても恥ずかしくない、尊敬してもらえる人間にならないといけないなって思っています。
 

――今回、プロフェッショナル・ロングドライバーズ協会(PLDA)と日本ドラコン協会(JPDA)の共催ではありますが、試合は競技時間2分30秒、持ち球は6球、そのなかで枠内にグリッドインさせた有効計測打3球の平均飛距離で順位を決定するというJPDAのルールが採用されました。飛距離だけでなく、方向性も問われる、難しい試合ではありますが、決勝では3球をグリッドインさせましたね。ドラコンの練習では、方向性も重視して練習されているのでしょうか。
 

大和田紗羅プロ
6球中1球のグリッドインでOKのロングドライブの競技も経験しているのですが、このルールなら少々ボールが暴れても構わないので、飛距離重視のスイングで挑みます。ですが、3球をグリッドインさせなければいけないとなると、やはり飛距離重視のスイングではなく、ラウンドと同じようなスイングで、さらに飛ばさなければいけないという難しいルール。まず3球グリッドインさせて、そこからいかに飛距離を伸ばせるかが勝負になります。とはいえ、決勝ではそんなことは考えず、全力でスイングしていましたね(笑)。

 
――ショットの精度も相当必要になるわけですね。
 

大和田紗羅プロ
そうなんです。飛距離と精度が求められるのですが、私自身、ジュニアのころからゴルフはしていて、いかにボールをフェアウェイキープできるかを練習してきましたので、精度に対してはそれなりに自信を持っています。飛距離に関しては、これまで2年ほど筋力トレーニングをしていて、いかにラウンドと同じスイングで精度を落とさず、飛距離を伸ばせるかに取り組んできました。
 

――決勝では柳井紗奈プロとの顔合わせ。4月に開催された「プロドラコンツアー2022茨城大会」チャンピオンズリーグ決勝でも顔を合わせており、大和田プロが288.3ヤード、柳井プロが287.7ヤードとわずか60センチ差で大和田紗羅プロが優勝し、世界選手権の出場権を手にしています。決勝が再び柳井プロと対戦することに意識はありませんでしたか?
 

大和田紗羅プロ
柳井プロは飛距離も出せますし、ショットの精度も高く、ゴルフ自体がすごく上手な方なので、枠に入れにいくだけでは勝てない選手だと思っていました。今回の決勝では勝つために、少々精度を落としてでも、振ることを意識して戦っていました。今から考えると、それで3球グリッドインしたのは奇跡的かもしれません。
 

――決勝では3球の平均258.7ヤードという記録でした。
 

大和田紗羅プロ
思い切って振りにはいったんですが、フェード系のボールが多く、飛距離はあまり伸ばすことができませんでした。今後はより強いドローボールを意識して、練習していきたいと思います。
 

――もともと大和田紗羅プロはLPGAのプロテスト合格を目指しておられ、現在はティーチングのライセンスを取得してレッスンを中心に活動されています。ドラコンをはじめてきっかけは?
 

大和田紗羅プロ
研修生時代からお世話になっているのが、ドラコンで何度も日本一になっておられる齊藤かおりプロで、その姿を見させていただいているうちに興味を持ちだしたのがきっかけです。
 

――もともと飛距離には自信があった?
 

大和田紗羅プロ
もともと飛距離は240~250ヤードくらいで、女子選手の平均からすると少し飛ぶくらいだったんです。飛距離が伸び出したのは、筋力トレーニングを始めてからですね。
 

――やはりストローク競技とドラコン競技は違いますか?
 

大和田紗羅プロ
もちろんまったく違う競技なのですが、JPDAさんの試合はどちらかというと基本に近い、ストロークでのスイングが活きるルールなので、そういった部分は共通していると思います。
 

――ドラコン競技の楽しさはどんなところにありますか?
 

大和田紗羅プロ
ドライバーショットで飛ばす楽しさでしょうか。ストロークプレーでの競技をメインにしていた時は、ティーショットでボールをフェアウェイに置いて、そこからカップインさせて、いかにいいスコアでラウンドするかに全力を傾けていたので、ドライバーの飛距離にそれほどこだわりはなかったんです。でもドラコンを始めてからは、ラウンドでも「これくらい飛んだな」とか、気にするようになって、色んな楽しみが増えましたね。
 

――世界一のタイトルを手にしたわけですが、これからのドラコンでの目標は?
 

大和田紗羅プロ
11月12日(土)・13日(日)にJPDAさんの「第8回 全日本プロドラコンツアー全日本選手権」が開催されるのですが、この試合には初出場になりますので、この試合に優勝して、日本一にもなりたいですし、来年の世界選手権でも優勝できるように、飛距離と精度を伸ばしていきたいと思います。
 
 

アサルトアタックは、しなりが大きいにも関わらず、ダウンスイングでスピードを上げてインパクトでボールにヒットするので、振り遅れもなく、対応してくれる。それでいてフルスイングしても、ほとんど曲がりがないですから、本当にすごいシャフトだと思います

――「PLDAレディース世界選手権」優勝時に使用したシャフトREVEの人気シャフト「アサルトアタック」。リボルバーのポテンシャルを継承し、70tカーボンとフルボロンで武装し、さらに先端部にニッケルをバインドすることにより、強烈なパワーに当たり負けしない強度と、ハイスピードで加速するシャフトに仕上げられており、ドラコン選手からも絶賛されています。アサルトアタックの魅力を教えてください。
 

大和田紗羅プロ
REVEさんの代名詞である「しなりで飛ばす」を言い表したシャフトだと思います。スイングした際に、しなりが大きいにも関わらず、ダウンスイングでスピードを上げてインパクトでボールにヒットするので、振り遅れもなく、対応してくれるのが一番の魅力じゃないでしょうか。それでいてフルスイングしても、ほとんど曲がりがないですから、本当にすごいシャフトだと思います。
 

 

――アサルトアタックを使用するようになったきっかけは?
 

大和田紗羅プロ
ドラコンプロの方々がREVEさんのシャフトを使っておられるのを見て、まず興味を持ちました。それにジュニアのころからお世話になっている齋藤かおりプロがREVEさんのシャフトを使っておられましたし、私の中で「ドラコンで飛距離を出せるのはREVEさんのシャフト」という印象があり、購入したのがきっかけです。それが今回世界選手権で使わせていただいたのがアサルトアタックだったんです。
 

――40Sをメインに使ったそうですが、40gという重量はいかがですか?
 

大和田紗羅プロ
シャフト自体もこれまで使用してきたものと比べて柔らかくて、軽量なのですが、いざスイングしてみると、かなりしっかり感があります。他社の軽量シャフトと比べて、まったく違う印象ですね。弱々しさもまったくありませんし、当たり負けすることもありませんので、すごく頼りになるシャフトです!
 

――公式最長記録は現在342ヤードとのことですが、アサルトアタックで自己記録更新も狙いたいですね。
 

大和田紗羅プロ
そうですね、40g台のアサルトアタックを使わせていただいて、明らかにヘッドスピード、ボールスピードも上がっていますし、もっとトレーニングを積んで、どん欲に狙っていきたいですね。
 

――これからも頑張ってください!
 

大和田紗羅プロ
ありがとうございます!頑張ります!
 
 

Profile


<大和田紗羅(おおわだ さら)プロ>
1994年6月7日、福島県郡山市出身。JLPGAティーチングプロフェッショナルA級取得、JPDAドラコンプロ。中学時代はソフトボールに打ち込み、部活卒業後、父の勧めで本格的にゴルフを始める。高校は福島県立富岡高等学校に進学し、ゴルフ部に在籍、競技に出場する。高校卒業後はプロテスト合格を目指し、主に江連忠ゴルフアカデミーで腕を磨く。2013年にはアマチュアながら予選会を通過し、レギュラーツアーの大王製紙エリエールレディースオープンにも出場した。22歳時にティーチングライセンス取得に方針を切り替え、2021年ライセンスを取得、現在はレッスンを中心に活動。2021年よりドラコン競技にチャレンジ。肉体改造にも取り組み、わずか1年で2022年9月7~9日に栃木県那須にある那須小川ゴルフクラブで開催された「PLDAレディース世界選手権」で優勝という快挙を成し遂げた。