河合 庄司プロ 屈指のショットコントロールとリボルバーを手に初優勝を目指す!
左手親指の故障を乗り越え、さらに進化を遂げた不屈のプロが、QT32位の成績で来シーズンもレギュラーツアーの舞台へ。
2022年「日本オープン」でフェアウェイキープ率1位を記録した屈指のショットコントロールと名器・リボルバーを手に悲願のツアー初優勝を目指す!
河合 庄司プロ
聞き手/編集部
–Professional Golfer Information
大阪桐蔭高校から東北福祉大学というゴルフの名門校で腕を磨き、大学在学中には数々の団体戦優勝に貢献、個人では2004年「関西アマ」を制して名を馳せ、大学卒業翌年の2006年にプロテストに合格した河合庄司プロ。2017年に2度目の出場となった「日本オープン」でツアー自己ベストの21位に入ると、2018年には福岡雷山ゴルフ倶楽部で開催されたAbemaTVツアー「ジャパンクリエイトチャレンジin福岡雷山」で悲願の初優勝を飾った。
ただ、2017年後半から左手親指を故障、痛みを抱えながらプレーを続けていた代償は大きく、レギュラーツアー出場のチャンスを掴みながらも故障の影響で試合出場を断念、痛みでクラブを握れない不遇の期間を過ごした。そんななか2019年に数々のプロのコーチを務める名伯楽・石井雄二氏との出会いで状況が一変。故障箇所に負担を掛けず、持ち前のコントロール力に磨きをかけたスイングを二人三脚でつくり上げ、見事復活。ドライバーもレーヴの大ヒットシャフトのひとつであるリボルバーを装着し、2022年10月に兵庫県・三甲ゴルフ倶楽部ジャパンコースで開催された「第87回日本オープンゴルフ選手権」では4日間を戦い切り、結果63位に終わるものの、フェアウェイキープ率1位(82.143)を記録、卓越したショットコントロール力の高さを証明した。
12月6~9日の4日間、宮崎県・トム・ワトソンゴルフコースで開催されたファイナルクォリファイングトーナメント(ファイナルQT)ではトータル2アンダーでラウンド、32位の成績により2023年のレギュラーツアー前半戦5~6試合の出場をほぼ手中にした。
石井雄二コーチと出会い、そしてREVEシャフトのリボルバーを手にしたことでさらなる進化を遂げた河合庄司プロに来シーズンに懸ける思い、そしてリボルバーについて聞いた。
2023年シーズンはレギュラーツアー前半戦5~6試合出場へ
――2022年ファイナルQT、お疲れさまでした。4日間を2アンダーでラウンドし、32位という成績を残しました。この結果、来シーズンのレギュラーツアー前半戦5~6試合の出場権をほぼ手にしたことになります。まずこの結果について河合庄司プロご本人はどのようにとらえていますか?
河合庄司プロ
レギュラーツアー前半戦5~6試合とAbemaTVツアー全戦に出場する権利を得ることができていますので、当初の目標はクリアできたかなという感じです。ただ20位以内ならレギュラーツアー前半戦のほとんどの試合の出場権を得ることができたはずなので、やっぱり20位以内に入りたかったというのが本音ですね。そこは悔しいですが、ツアーメンバーになれたこと、そしてリランキング対象になれたことには満足しています。
――QTファイナルの開催コースであるトム・ワトソンゴルフコースはフェアウェイがタイトで難易度が高いコース。どのような戦略で挑まれましたか?
河合庄司プロ
かなり難しくて、ボールを曲げるとスコアにならないコースでしたね。ティーショットの精度がカギになるのは、出場した全選手が考えていたのは間違いなく、いかにティーショットを曲げないで、ボールをフェアウェイに置けるか。これがスコアメイクのポイントでした。一般的なコースなら林に入れても、木々の隙間からグリーン方向斜め前方にショットして、そこからなんとかパーパットは打つことができるのですが、トム・ワトソンは木々が密集しているコースなので、林に入れてしまうと良くても真横に出すしかない状況。林そのものが赤杭のペナルティのようなものなので、林に入れた時点でボギー、下手するとダブルボギーも覚悟しなくてはいけない。ボールを曲げられないというプレッシャーを感じながらのプレーの連続でした。
――スコアは69・71・76・70の4日間トータル286。3日目以外はアンダーパーの好スコア。戦略どおりのプレーができたのでは?
河合庄司プロ
そうですね。ただ3日目はティーショットが少し不安定で、不安定さがそのままスコアに表れてしまい、オーバーパーになってしまったのは悔しい部分。それでも翌日の最終日は気持ちを切り替えて、林に打ち込むことなく、ノーボギーでラウンドできましたので、そこは収穫かなと思っています。
――来シーズンのレギュラーツアー前半戦5~6試合の出場権を得られましたが、来シーズンに懸ける思いを聞かせてください。
河合庄司プロ
レギュラーの試合にこれだけ出場できるチャンスは2019年以来。出場した試合はできるだけ上位に入って、シード権を獲れるように精一杯頑張るだけですね。
2022年日本オープンゴルフ選手権でフェアウェイキープ率1位を獲得
――2019年末に石井雄二コーチと契約し、二人三脚でスイングづくりに取り組んでこられ、特に2022年は結果を出された印象を持っています。地元である兵庫県・三甲ゴルフ倶楽部ジャパンコースで開催された「第87回日本オープンゴルフ選手権」では4日間を戦い、結果は63位と上位には食い込めませんでしたが、フェアウェイキープ率は全選手を通じて1位にランクされました。
河合庄司プロ
これまで何度か日本オープンに出場させていただいているのですが、2022年の日本オープンは特にセッティングが難しい試合でした。フェアウェイからしっかりスピンを効かせて打たなければ、まずボールが止まらない硬くて難しいグリーン。今回のQTと同じく、ティーショットをいかにフェアウェイに打てるか、打てないかで、選手がふるいに掛けられてしまうようなセッティングでしたので、フェアウェイキープには相当気をつかいました。そんなセッティングの試合でフェアウェイキープ率82.143という数字を残すことができ、しかもランキング1位を獲れたのは、やっぱり大きな自信につながっています。
――グリーンの難しさだけではなく、フェアウェイがタイトでしかもラフの刈り高が長い。いろんな部分で苦労させられるセッティングでしたね。
河合庄司プロ
本当にラフが長くて、場所によってはアドレスをしても芝に覆われてしまってボールが見えないケースもありました。「(ボールは)このあたりかな」ってくらいの感覚で打ったショットもあるんですよ(笑)。
――フェアウェイキープ率に目がいきますが、一方でドライビングディスタンスについても平均272.25ヤードで、出場した全選手中51位にランキング。飛距離を出しながらもフェアウェイキープ率が高いというのは河合庄司プロにとって大きな武器ですね。
河合庄司プロ
メジャーと呼ばれる試合で、ティーショットでアドバンテージを取れたのはすごく自信になっていますし、来シーズンにつなげていきたいですね。
――来シーズンがすごく楽しみです。
河合庄司プロ
そうですね。もちろん課題もあるのですが、もっとティーショットの飛距離と精度を磨いて、出場した試合は常に上位に入れるように頑張ります。
大きな故障を乗り越え、石井雄二コーチと新たなスイングを構築
――河合庄司プロは2018年には福岡雷山ゴルフ倶楽部で開催されたAbemaTVツアー「ジャパンクリエイトチャレンジin福岡雷山」で優勝し、さぁこれからという時に、左手付け根の故障が悪化。ゴルフを続けられるかどうかわからない状態にまでになっていたそうですね。手術も経験し、地道なリハビリの結果、レギュラーツアーで戦えるまでの状態に回復されました。厳しい期間だったと思うのですが。
河合庄司プロ
4月に「ジャパンクリエイトチャレンジ」で優勝し、翌シーズンのレギュラーツアー出場権をほぼ確保できた状況でしたので、その後の試合はすべて休むタイミングだと捉え、完治を目指してそこから6ヵ月、まったくボールは打ちませんでした。その期間は故障箇所のケアとトレーニングだけ。治療のために毎週東京まで通ったり、いろいろな治療も試してみました。10月に開催されたAbemaTVツアーの「太平洋チャレンジ」という試合に出場はしてみたのですが、やっぱり痛みが治まってなくて、思うようなプレーがまったくできない。そこで思い切って手術を決断、翌年3月になってようやくプレーできる状態にまでなりました。故障するまでは、すごく好調で、レギュラーツアーにも出場できる状況だったにも関わらず、回復しなければ練習すらできない。この期間はゴルフができなくなってしまうんじゃないかという不安ばかりでしたね。
――そういったなかで2019年の年末に石井雄二氏とコーチ契約し、故障箇所に負担が掛からないスイングを構築されたそうですね。
河合庄司プロ
後輩プロから石井雄二コーチを紹介していただいたのがきっかけ。色々と話をうかがっていくうちに、ぜひ石井コーチに教わりたいと思い、2020年1月からコーチをお願いしています。「故障前よりも体に負担を掛けないスイングで、故障前のパフォーマンスを上回る」という共通のテーマを持って、スイングづくりに取り組んでいます。
「リボルバーは自分が手を使って飛距離を出すという感覚ではなく、シャフトの運動量が飛距離を出してくれる感覚。まさしく自分の理想とする挙動、ポテンシャルを持つシャフト」
――新たなスイングを構築していくなかで、手にしたシャフトがREVEの大人気シャフトであるリボルバー。スイングにマッチしたシャフトだとお聞きしています。
河合庄司プロ
石井コーチと話し合いながら、いろいろと試させていただいたなかで、最も自分にマッチしたシャフトがリボルバーでした。いかに故障箇所に負担を掛けず、シャフトが仕事をしてくれるか、という部分を追及して巡りあったシャフトです。自分が手を使って飛距離を出すという感覚ではなく、シャフトの運動量が飛距離を出してくれる感覚。まさしく自分の理想とする挙動、ポテンシャルを持つシャフトだと感じましたね。
――リボルバーの開発コンセプトは「男子プロでも打てる40グラム台のシャフト」。河合庄司プロが使用するXのスペックでも53グラムとかなり軽量です。シャフトにボロンを配合しており、適度な粘りがあるので、高速のしなり戻りと粘りという相反する特性を持った独特のシャフト。このシャフトをスイングした際の第一印象を教えてください。
河合庄司プロ
リボルバーに替えるまでは60X、70Xを使っていましたので、実際に打ってみるまでは、正直軽くて頼りないような印象を持ちました。打ったクラブバランスもC8だったこともあり、相当軽く感じたのが正直なところです。
――その後は?
河合庄司プロ
石井コーチと思い描いたスイングを考えると、このシャフトを使いこなせれば自分のスイングが良くなってきているというビジョンがありましたので、とにかくリボルバーを扱えるスイングづくりを目指しました。
――具体的には?
河合庄司プロ
先ほど言いましたが、手を使わないでシャフトに仕事をさせるスイングが理想。左手の親指を再び痛めることだけは回避したかったので、体に負担を掛けないで飛距離も出せるリボルバーは理想的なシャフトといってもいいくらいなんです。重量的にすごく軽くは感じますが、しなり戻りがかなりスピーディーなのでタイミングが取りやすいですし、単純に軽いシャフトという感覚ではなく、シャフトがスイングに同調し、ヘッドを走らせて、ボールを捕らえる感覚を感じさせてくれるシャフトなので、スイングしやすい。軽量でシャフト自体の運動量も多いですから、単純にヘッドスピードがアップするのは当然なんですが、そこにヘッドが遅れてこなかったり、当たり負けしない強さがあるのがリボルバーの凄いところなんですよね。
――Xでもかなり柔らかいイメージがありますね。ボールがつかまりやすく、バックスピン量も抑えられているので、効率よく飛距離を出すことができる。
河合庄司プロ
ワッグルの際はXとはいえかなり柔らかい感覚はあるのですが、実際にスイングしてみると、しなりは大きいのですがしっかり感があるんですよね。切り返し時は大きくしなっているのに、ダウンスイングでスピードを上げてヘッドが下りて来てくれるので、振り遅れがない。ボールも捕まえやすいですし、当然ヘッドの運動量が上がっているので飛距離も出せる。バックスピン量も少なく、効率よく飛距離を伸ばせますし、コントロールもしやすい。欠点が見つからないシャフトなんですよ。
――日本オープン、QTの好調ぶりを支えたのも、リボルバーといっても過言ではありませんね。
河合庄司プロ
もちろんです。いずれもティーショットを曲げてしまうとどうにもならないコースでしたので、リボルバーのポテンシャルに助けられた部分は多々あります。使わせていただいてから、ティーショットの安定感は増していますし、今のところ、来シーズンもリボルバーで試合に出場する予定です。
――どんなアマチュアの方におすすめしたいシャフトですか?
河合庄司プロ
アマチュアの男性ゴルファーを見ていると、オーバースペックのクラブを使用しておられる方がかなり多いんです。そういった方のなかには、オーバースペックが原因で、高さが出せなかったり、スイングが安定しないためミート率が上がらなかったりといった症状に気付かれていないケースもあるように思います。リボルバーは軽量シャフトなので、単純にヘッドスピードが上がりますので、まず飛距離を出せる要素が得られます。直進性が高いうえ、ハードスペックのシャフトに比べて体への負担も軽減されます。自分がややオーバースペックのシャフトを使っていると感じておられる方は、ぜひ取り扱いショップに出向き、フィッティングしていただければと思います。ちなみに私のドライバーの総重量は296gほど。一般的にはアマチュアのシニアゴルファーが使うよう重量です。そんな重量でもレギュラーツアーで使って、飛距離を出しているわけですから、ぜひ試していただきたいですね。
――今日はありがとうございました。来シーズンも頑張ってください!
河合庄司プロ
ありがとうございます!レギュラーツアー初優勝を目指して頑張ります!
Profile
<河合庄司(かわい しょうじ)プロ>
1983年12月5日、和歌山市出身。高校は大阪桐蔭高、大学は東北福祉大とゴルフの名門校へと進学。東北福祉大学では数々の団体戦優勝に貢献し、個人では2004年の「関西アマ」で優勝を果たした。大学卒業翌年の2016年にプロテスト合格。チャレンジツアーを中心にプレーし、2014年の「太平洋クラブチャレンジ」では上がり3連続バーディでプレーオフに進出。惜しくも敗れたがレベルアップを証明した。2018年はAbemaTVツアーの「ジャパンクリエイトチャレンジin福岡雷山」で最終日に逆転して初優勝を掴んだ。その直後から痛みのあった左手親指の治療のため静養。10月に復帰するが状態が悪く、手術に踏み切った。リハビリを重ねながらようやく試合で戦える状態まで回復、2019年に名伯楽・石井雄二コーチに師事。2022年の日本オープンではフェアウェイキープ率1位を記録。QTファイナルでは32位に入り、2023年レギュラーツアー前半5~6試合の出場権をほぼ手中にした。レギュラーツアー初優勝に期待が掛かる。