2023.05.01

石井雄二プロコーチがI.ELEVATION WGを解説!

— New Model Impression


ウェッジシャフトの概念を変えたI.ELEVATION WGが要望に応え定番化!ウェッジにもカーボンシャフトを推す石井雄二プロコーチが徹底解説!

 2019年、アイアン専用シャフト『I.ELEVATION』 に合わせたウェッジ専用シャフトとして限定発売され、即完状態となった『I.ELEVATION WG』。高い操作性とスピン性能に完売後も再販を望む声が多かったが、ついに定番化され、ようやく誰でもその恩恵にあずかることができるようになった。
 

近年、プロゴルファーでさえもウェッジにカーボンシャフトを組むことによるメリット着目し、ツアーでの使用率も高まってきているが、このほどREVEから定番化されたI.ELEVATION WGはゴルファーの意図を汲み取ったかのような距離感、高いスピン性能、そしてミスヒットの寛容性から、すでにプロも試合で投入するほどの完成度の高さを示している。
 

REVE パターシャフト 『BLACK KNIGHT』 をベースに開発され、単に硬いだけでなくREVEならではシャープでソリッドなフィーリングも併せ持ち、シャフトの強度を上げることでミスヒット時と芯にヒットした時の距離、スピン量の差を極力なくすことに成功したI.ELEVATION WG。特性を生かし、距離感とスピン量が安定することで、どんなところからもピンをデッドに狙える新時代シャフトをツアープレーヤーからアマチュアまで幅広く指導する屈指の名伯楽・石井雄二コーチが徹底解説してくれた。


 
 

「ねじれない」「しならない」シャフトであるということは、つまりウェッジを簡単かつシンプルに打てるというということ

――これまで石井雄二プロコーチにはREVEの注目シャフトやアイテムを色々とインプレッションしていただきましたが、今回お願いするのは一度限定商品として発売され大人気となったウェッジ用シャフトの『I.ELEVATION WG』です。当初から評価が高くて再販のリクエストもかなり多かったのですが、このほど定番商品として再び発売されたシャフトとなります。
 

石井雄二プロコーチ
前回の発売からすごく評判のシャフトですよね。今回のインプレッションを前に、すでにコースでテストしてきましたので、おまかせください。
 

――第一印象から教えてください。
 

石井雄二プロコーチ
私が現在使用しているウェッジのシャフトは120g台のスチールを使用しているのですが、今回テストさせていただいたのは100g、120gのモデルが中心。I.ELEVATION WGはカーボンシャフトでありながらスチールと同等の重量だということが、まず特徴になりますね。実際にコースでこのシャフトをテストして思ったことは「しならない」「ねじれない」ということ。しならない、ねじれないということは、それだけシャフトが暴れないわけですからヘッドの動きをダイレクトに感じられるんです。このシャフトの最も大きな魅力、効果はこの特性だと思っています。
 

――ヘッドの動きをダイレクトに感じられるというのは、プレーヤーにとって大きなメリットですね。
 

石井雄二プロコーチ
アマチュアの皆さんの大半の方が、ウェッジのシャフトを軽くする、あるいはウェッジのシャフトを硬くするということに対して、どういったメリット、デメリットがあるのかを考えたことがないと思うんですね。実はウェッジのシャフトの選択はとても大切で、スイング自体はコンパクトな動きなのですが、ヘッド自体が重いのでしなりやねじれが結構起きていて、それが打点のミスにつながったり、自分の思うクラブの入り方と違ったりすることにつながるんです。
 

――なるほど。
 

石井雄二プロコーチ
トルクの少ないカーボンのシャフトをウェッジに組むことで、しなりやねじれを抑えることができますので、そういったミスも軽減されるわけです。今回、ウェッジ用のカーボンシャフトであるI.ELEVATION WGが定番化され、再販されたということですが、「ねじれない」「しならない」シャフトであるということは、つまりウェッジを簡単かつシンプルに打てるというということなんです。
 

 

アプローチショットでも挙動や距離感を均一化できるようになったのが、I.ELEVATION WGだといえる

――ウェッジとひとことに言っても、使用するシチュエーションは様々。とりわけバンカーが苦手な方への、このシャフトのメリットというのは?
 

石井雄二プロコーチ
バンカーショットはバンカーのアゴの高さだったり、ピンまでの距離に応じて、フェースを開いて打つケースがありますよね。ただフェースを開いて打つ場合、若干ヘッド自体の重心位置が下がりますので、トゥダウン気味にインパクトを迎えることになります。そういった場合でも、I.ELEVATION WGのようにねじれがないシャフトだと、フェースを開いてショットした場合でも、アドレスしたままの形でヘッドを落とすことができますので、やさしく扱えるというのがメリットですね。それにバンカーショット以外に、ロブショットのように大きくフェースを開いたショットでも、自分の思う通りの動きをしやすいはずです。
 

――バンカーが苦手な方にもおすすめということですね。
 

石井雄二プロコーチ
そうですね。それにウェッジというクラブはフルショットで打つケースが結構少ない。私の場合、58度のサンドウェッジでキャリーは95~100ヤードくらい。もちろん、それより短い距離でも基本的にサンドウェッジを使いますので、フルショットの挙動とハーフショットやスリークオーターショット、それより小さなスイングでのショットの挙動がそれぞれ違ってしまうと、スイングの差で生じる挙動の差まで掴んでおかなければいけない。でもI.ELEVATION WGは挙動に差が生まれないので、単純にスイング幅を小さくするだけで、同じように当たってくれる。使い勝手がすごく良いわけです。
 

――ウェッジはフルショットだけでなく、短い距離を打ち分けなければいけないわけで、シャフトが暴れてしまうと、ただでさえ難しいアプローチショットがさらに難しくなってしまいますね。
 

石井雄二プロコーチ
REVEさんに「BLACK KNIGHT」というパターシャフトがありますが、BLACK KNIGHTのように硬くてしならず、ねじれがないシャフトをパターに組むのが近年の流れになってきていますよね。パッティングのストロークというのは小さな動きではあるのですが、実はシャフトはしなっていて、ストロークによってうまくしならせることができた時とそうでない時でボールに伝わるエネルギーが変わってしまい、距離感が変わってしまうデメリットがあったわけです。硬くてねじれないパター用シャフトが登場したことで挙動や距離感を均一化できるようになったのですが、同じようにアプローチショットでも挙動や距離感を均一化できるようになったのが、I.ELEVATION WGだといえます。もちろん柔らかいシャフトでタイミングを取って打った方が打ちやすいという人もいると思いますが、実はそれがショートゲームでのクラブの動きを難しくしている原因になっているケースもあるんですよね。そういった方にはぜひ、しならないシャフトを使うメリットはこういうことなんだって味わってもらいたいですね。
 
 

I.ELEVATION WGはねじれ、しなりがほぼありませんから、芯を捕えやすいのはもちろん、仮に芯がずれたとしてもある程度、芯でとらえた時と同じような飛距離を出せるということ

――スチールと比べてスピン量はいかがですか?
 

石井雄二プロコーチ
確かに硬いシャフトでのスピン量がどうなるのか興味がある部分もあったんですが、実際に打ってみるとしっかりとスピンがかかるんですよね。多少打点がズレた時でも、スピンがかかってくれましたので、すごく打ち応えを感じました。
 

――硬くてもスピンは十分だと。
 

石井雄二プロコーチ
十分ですね。それに先ほども言いましたが、ウェッジはヘッドが重いのでシャフトがねじれてしまうと、うまく扱えなければ当然打点がずれてしまいます。ある意味、ウェッジはクラブの中でも群を抜いて近年、打点が狭い番手。ボールをぼんやりとある程度の枠の中に落とせばいいくらいの許容なら、少しくらい打点がずれたところで問題はないんですけど、距離をぴったり合わせたいとか、方向性を安定させたいとか、ピンポイントで狙った場所に打たなければいけないのがウェッジの役割です。それだけシビアなわけですから、そういった意味でウェッジが最も芯の狭いクラブという位置づけになります。クラブ自体が短いので扱いやすいとはいえ、芯でとらえるという意味でいうと結構難易度が高いクラブなんです。さらにディスタンスコントロールして使うとなると、ただでさえ振り幅を調整する難しさがあるのに、さらにねじれから打点のずれが生じると難しさは倍増しまう。I.ELEVATION WGはねじれ、しなりがほぼありませんから、芯を捕えやすいのはもちろん、仮に芯がずれたとしてもある程度、芯でとらえた時と同じような飛距離を出せるということです。
 

――打点がずれたとしても結果につながりやすいというのは、大きな特性ですね。
 

石井雄二プロコーチ
プロは当然、アプローチショットではカップインもしくはピンそばを狙っていうのですが、時には打点のずれによるミスをするケースはあります。ただそんな時でも、狙った場所の付近にボールを止めることさえできていればOKなんです。パターシャフトと同じで、シャフトの硬さがクラブのブレを防ぎ、ミスを許容範囲に収めてくれるI.ELEVATION WGの硬くて重いという特性は、実はゴルフをやさしくしてくれるんです。アプローチで悩んでいる方はI.ELEVATION WGを試してみる価値は十分あると思います。
 

――最後にI.ELEVATION WGを購入するにあたってこんなことに悩んでいる、こんな人におすすめだよというのはありますか?
 

石井雄二プロコーチ
まず、ウェッジのフルショットはうまく打てるけどコントロールショットが苦手という方。短い距離でカップに寄せようとしたときに打点が合わない方。こういった方にはボールへ入射が安定しますので、絶対おすすめです。あとウェッジになると打点が合いづらい方。ブレがありませんので、打点が合うはずです。それにフェースを開かなければいけないシチュエーションでのバンカーショットで開くことを苦手にしている方も試してみるべきだと思います。
 

――わかりました。ありがとういございました。
 

石井雄二プロコーチ
素晴らしいシャフトだと思いますので、多くの方に使用していただきたいですね!
 


 

Profile


<石井 雄二(いしい ゆうじ)>プロフィール
1976年7月25日生まれ。江連忠に師事。アマチュア時代から穴井詩を指導してトッププロに導いたほか、現在は独立し、西木裕紀子、スタイヤーノ梨々菜、山本豪、河合庄司ら多数のプロを指導。昨オフから再びタッグを組んだ穴井詩プロは今季、4年ぶりにツアー優勝を飾っている。プロへ指導したノウハウを一般ゴルファーにも伝達しており、各々の筋力、柔軟性などをそのまま活かし、エネルギーのロスを最小にして飛んで曲がらないスイングを提唱。大学は工学部で、トラックマンやGCQUADなどの計測機器を早期から活用し理論面でも納得のいく親切なティーチングに定評がある。TPI公認インストラクター取得。PGAティーチングプロ。六甲国際ゴルフアカデミー所属。