日本一のアサルト使い!海東英郎選手が大怪我を負いながらもタイトルマッチに勝利!
–Professional Golfer Information
今、最も熱く、興奮に包まれているドラコン競技として注目されている「GOD(Great Of Drivers)ドラコンプロ タイトルマッチ」。ただ飛ばせばいいとするパワーだけの勝負ではなく、厳格なルールによってつくり出された飛距離+アキュラシー(コントロールの正確性)のどちらも兼ね備えた選手だけが勝利する、よりエキサイティングなドラコン競技だ。
またGODドラコンプロタイトルマッチは性別・年齢によって、クラス(階級分け)を行なっているのも特徴。なかにはクラスの垣根を超越して、複数階級のタイトルを獲得した猛者もいるほど。
公式ルールは1ラウンド 1分30秒の5ラウンド制となっており、5ラウンドを通して各ラウンドの合計飛距離によって争われる。
各ラウンドにおいて、3球ショットを放ち、有効計測幅(グリット)に静止した、有効計測距離以上で最も飛んだボールがラウンドの記録となる。つまり記録を残すには、まずグリッドに1球でもボールを収めなければいけないということだ。その幅は、開催場所によって異なるが、平均横幅は25ヤード(約22m)から35ヤード(約32m)。これまでグリッドに泣かされる選手、勝利を掴んだ選手など、多くのドラマが生まれており、まさしくトータル的にゴルフスキルが求められる、最強ゴルファーが勝利する試合形式ということになる。
そんなGODドラコンプロ タイトルマッチが2023年12月3日(日)、鹿児島県南九州市川辺町の三豊ゴルフクラブで開催された。各部門のチャンピオンに、予選トーナメントを勝ち抜いてきた選手が挑む、問答無用のガチンコ勝負。勝者がチャンピオンとして君臨し、敗者は翌年のタイトルマッチに挑むべく、予選を勝ち抜かなければならないシビアな対決だ。
男子・シニア -78kg級チャンピオンである狩野直勝選手に挑んだのが、予選を勝ち抜いた海東英郎選手。強さに加え、ドラコン界のファンタジスタとして高い人気を誇り、REVEシャフトを溺愛する選手としても知られている。
タイトルマッチでは、1Rで海東選手がいきなり300ヤード越えの305ヤードを記録して、271ヤードの狩野選手をリードすると、2Rはお互い記録なし、3Rは海東選手299ヤードに対し狩野選手295ヤード、4Rは海東選手304ヤードに対し、狩野選手が310ヤと一矢報い、接戦ムードとなったが、最終の5Rで海東選手が320ヤードを叩き出し(狩野選手は315ヤード)、トータル海東選手1228ヤード、狩野選手1191ヤードで海東選手が勝利、タイトル獲得に成功した。
ただ、タイトルマッチに挑み、勝利したその裏には、大怪我を負い、ドラコン休養を前にしながらも強い気持ちで戦い抜いた海東英郎選手の熱いストーリーがあった。今回は鬼メンタルでタイトルマッチに見事勝利した海東英郎選手の喜びの声を聞いた。
靱帯を断裂しながらも、鬼メンタルでつくりだしたゾーンで、タイトルマッチに挑む
――GODドラコンプロ タイトルマッチ男子・シニア -78kg級のでの勝利、おめでとうございます。タイトル奪取の率直なお気持ちを聞かせてください。
海東英郎選手
ありがとうございます。これまで積み上げてきた経験・実績・練習量・ドラコンに対する情熱は裏切らないと信じて戦ってきましたので、結果が最高の形で返ってきて嬉しく思っています。
――タイトル奪取に自信はありましたか?
海東英郎選手
多くの実力者が多数参加するため、誰が優勝するかわかりません。圧倒的な実力があれば話は変わりますが、私はその実力者ではありません。ただ、その日一番調子が良い選手であれば優勝する事は可能な位置にいる選手であるとは思って挑戦しました。
――今回の試合に挑むにあたり、いろいろな想いをお持ちだったそうですね。
海東英郎選手
そうなんです。実は地域のバレーボールチームに所属しておりまして、今年の夏、8月の終わりにバレーボールの練習中、スパイクを打って着地する際にバランス崩し、左膝の靭帯を切る大怪我をしてしまいました。
――靱帯断裂ですか。
海東英郎選手
はい。かなりの大怪我ですが、9月に行われるドラコンの岐阜大会に出場しないと12月の鹿児島大会の最終予選にすら出られないので、まともに歩けない状態のまま無理矢理9月の岐阜大会に出場しました。得意の一本足打法は難しい状況で、ほぼ右足一本で振り抜き299ヤードの記録を残し、12月の鹿児島最終予選の参加権利を獲得することができました。この時点では12月まで約3ヶ月もあればもう少し振れるようになるから何とかなるような気でおりましたが、10月の初旬に脚立から転落して、治りかけていた左膝を再度捻ってしまい膝に血が溜まる致命傷を負ってしまいました。
――厳しい状況。
海東英郎選手
松葉杖生活の10月。歩くのも困難、ましてや練習もできず、素振りもままならない状況でした。左肩、左肘は故障したままで、腕立てもできない。年明け2月に左膝の手術も決めていましたので、来シーズンは完全休養をするつもりでJPDA協会にも休会の手続きを申請しました。ドラコンを始めた2000年から、毎年欠かさず出場し続けたドラコン競技生活は23年。来シーズンは出場もできないので最後の記念にと、今回のGODドラコンプロ タイトルマッチ出場を決意しました。
――最後の記念ですか。
海東英郎選手
そうなんです。記念で出場する最終戦のつもりでしたが、「最後に勝ちたい」「勝つためには何を?」と考えている時にメンタルトレーナーのユウヤさん、本業心理カウンセラー心の銭湯経営者・神田氏と(変な宗教とかではありません)ゾーンに入るには?ゾーンの入り方、そもそもゾーンとは?を解析して頂き「鬼メンタル」をつくる作業を重ねたんです。スイングに関してはできることは限られているのでプロゴルファーで私の師匠でもある田中勝也氏に相談し、勝ち抜くためにヘッドスピードのコントロールを身につけて最終戦に挑む事となりました。
冷静な自己分析と冷静ゾーン。最終第5ラウンドで320ヤードを記録
――そんな背景があったんですね。では試合についておうかがいします。予選から厳しい試合が続いたと思いますが、タイトル挑戦自体が楽なものではなかったと思います。予選も難しい対決が続いたのでないですか?
海東英郎選手
厳しい試合展開は予想していました。ただ、もっともっと厳しい試合展開も予想してシミュレーションも重ねて準備していました。我慢比べに持ち込んで相手が息切れするのを待つ作戦勝ちでしたね(笑)。 ラストクオリファイ(最終予選)からの出場だったので試合数が多くて大変でした。
――タイトルマッチはチャンピオン・狩野直勝選手に挑戦。試合展開についてお聞きします。1Rで305ヤードを叩き出し、271ヤードの狩野選手をリードしました。この時の心境は?
海東英郎選手
1Rは記録が残ればラッキーくらいでスタートしたので、自分の記録も相手の記録も特に気にしていませんでした。
――2Rはお互い記録なしとなりましたが、記録なしというのは、なにか駆け引きなどがあったのでしょうか?
海東英郎選手
アゲインストの中、5ラウンドですべて記録残すのは難しいので、全5ラウド中4ラウンドで記録残せば優勝できるだろうと予想していました。だいたい集中力が切れる3ラウンド目か4ラウンド目での記録なしを想定していましたが、まさかの2ラウンド目で記録なしは自分でビックリでした(笑)。特に駆け引きはなかったと思います。
――3Rは海東選手299ヤード、狩野選手295ヤードと僅差で海東選手がリードを伸ばしましたが、4Rは海東選手304ヤードに対し、狩野選手が310ヤードと差を詰めてきました。焦りはなかったですか?
海東英郎選手
まったく焦りはありませんでした。今回のラウンド制の試合方式のために4段階のギアチェンジスイングを徹底的に身に付けました。MAX4は身体の調子次第ですが、前日の予選時にgear3で337ヤード打てていましたし、準々決勝の対細屋戦や準決勝の対笹谷戦でgear2〜gear3の試合展開も経験し、勝利した自信もあり、ゾーンに入った感覚もあったので余裕がありました。
――迎えた5R。その差は32ヤード。十分、狩野選手にもチャンスがある差でした。5Rを迎えた際の心境は?
海東英郎選手
ゾーンに入っている感覚で、完璧でした。gear1で300ヤード打てばほぼ優勝決定の状況でしたので、焦りも緊張もない良い状態でしたね。
――結果、海東選手が320ヤードのビッグドライブを放ち、見事をタイトルを奪取しました。320ヤードは素晴らしい記録です。さすがドラコン界のファンタジスタですね。この320ヤードはこれまでのラウンドと何が違ったのでしょうか?
海東英郎選手
今まではMAXで振り抜くために適度な緊張・適度な興奮で高揚ゾーンに入って振っていましたが、今回は冷静な自己分析と試合展開を予想して冷静ゾーンをつくり、そこに入ることができました。これは大きい進化だと思います。gear1で300ヤード、 gear2で320ヤード、 gear3で340ヤード、MAX4で350ヤード超の身体のコンディション状態も確認できていました。最終ラウンドはgear1で「320も飛んじゃった」が正しい表現のような気がします。gear3温存で最終ラウンド迎えられたので助かりました。
アサルトアタックは23年間のドラコン競技で真摯に向き合って選び抜いたシャフト
――使用したシャフトはREVEのアサルトアタック。このシャフトの魅力を教えてください。
海東英郎選手
たまたま手にしたシャフトで優勝した訳ではありません。23年間ドラコン競技に真摯に向き合って選び抜いたシャフトで、丸4年同じシャフトで戦って優勝を勝ち取った日本一のシャフト、それがアサルトアタックです。
――相当、信頼しておられますね。
海東英郎選手
一度も折れた事ありませんし、ドラコン選手が4年間同じシャフト、同じスペック、同じヘッドで戦っているってことがどんなに異例の事態か知る人にとっては驚異的なことだと思います。変える必要がない!クラブに悩まない事がどれほどドラコン選手にとって優位であることか、今回の優勝で証明できたと思います。長年愛用のアサルトアタック、たぶん自分が日本一のアサルトアタック使いだと思います。今試しているgear1、gear2、gear3のスイングパターンの細分化が可能になったのもアサルトアタック性能のおかげだと思います。
――そうなんですね!
海東英郎選手
アサルトアタックは飛ぶシャフトというイメージが強いですが、「言うこと聞いてくれるシャフト」が本来の性能の様な気がします。飛ばしたい時は飛ばしてくれるし、曲げた時は曲げてくれる。スピン量のコントロールも可能になったのか?可能にしてくれたのか?はわかりませんがアサルトアタックの性能あっての事です。あるドラコン選手の友人がアサルトアタックを使い出してから「強く」なったと言います。アサルトアタックを使い出してからの勝率が証明してくれています。
――使用スペックは?
海東英郎選手
アサルトアタック40Rです。
――ヘッドはTOXICの6度ですね。このヘッドとアサルトアタックの組み合わせの魅力を教えてください。
海東英郎選手
犬で例えます。シェパードみたいなシャフトで、少し優しさを備え、言うことを聞いてくれるゴールデンレトリバーみたいなヘッドです。
――ドラコン選手も使用していますが、アサルトアタックは一般アマチュアゴルファーの方にもおすすめですか?どのようなところをおすすめしたいですか?
海東英郎選手
ゴルファーなら一度は試して欲しいシャフトです。練習好きなゴルファーには最高のオモチャだと思います。練習場でドローやフェード、高い球、低い球、300ヤード飛ばしたり、200ヤード打ってみたり、とすべてに応えてくれます。
――最長飛距離423ヤードの記録を持つ海東英郎選手。これからの目標を教えてください。
海東英郎選手
100歳で300ヤードのギネス記録を出す!
――ギネス記録、期待しています!
海東英郎選手
頑張ります!
Profile
<海東 英郎(かいとう ひでお)>
1973年1月30日生まれ。滋賀県高島市出身、三重県三重郡在住。幼少期から陸上競技に没頭し、大学2年時には三段跳びでジュニアオリンピックにも出場、高校2年時から4年連続で滋賀県代表として国体出場。大学卒業後、就職先で誘われ26歳で初めてクラブを握り、初めての練習で300ヤードオーバーを放つ。類まれな飛距離を活かすべくツアープロを目指し、三重県・三鈴カントリー倶楽部で5年間研修生生活を送る。その後持ち前の飛距離を活かすべく、ドラコン競技に転向。三段跳びで培った身体能力から繰り出す最長飛距離は2020年に記録した423ヤード。2021年ドラコン世界大会日本代表決定戦「PLDA-JAPAN-ナショナルトーナメント」のシニアディビジョンにて見事優勝。悲願の日本一の称号を手にした。2023年、GODドラコンプロ タイトルマッチにおいて男子・シニア -78kg級チャンピオンに輝く。